発売になったTRICERATOPSのアルバム
『SONGS FOR THE STARLIGHT』。

シアトリカルなアプローチさえ感じるアルバムの歌詞を読んでいくと、そこには
「現代を冷静に見る心象風景」と、
「男としてのモヤモヤ」と、
「人生の大いなる肯定」が
含まれていました。

そこで、全曲に対し、「ああ、そうですよねえ」という感嘆を簡単に示しつつ、
いっしょに楽曲を聴きながら、
より歌詞世界を堪能できる工夫として、
勝手な解説を書いて見ることにしました。

歌詞は、メロディに乗っているからこそ理解しやすく、心に届くことがあります。
賛美歌しかり。
般若心経しかり。

そして、メロディにしか乗せられないという制約は、それゆえに意味を倍増させることがあります。

つまりは、「隠喩」になっている。

たとえば「二人」という言葉が出てきたとしても、それは1対1の恋愛をはさんだ関係性だけでなく、対人関係すべてに呼応する比喩だったりするのです。

歌詞全文を掲載することは著作権上はばかられるところですので、ぜひ本作を購入していただき、歌詞カードを片手にしていただいているという前提のもと、抜粋引用しながら進めてまいりたいと思います。

「妙な解釈をするヤツもいるもんだ…」などと嘲笑しながら、軽い気持ちでごらんください。

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3『スターライト スターライト』

 

先行してMVも公開された、確実に聴く人のこころをとらえる曲。
ポジティブを下敷きにネガティブが、少し透けてみえる歌詞。

 

わりと、ネガティブな心情を吐露しているような部分がある。
自分と世間、社会とのズレっていうのは、誰にも言えない部類のことではあるけれど、静かに不安なものだ。
そしてそれを含めて、自分の思い描くハッピーに向かえないなら、そんなことを感じもしない原人に、(みんなごと)なっちゃえばいいんだ、と思うところもある。

そこで「お前ら全員死ね」とか「この世よ滅べ」と言わないところに、ポジティブの種があるのだ。

 

ミラーボール、という単語がこの曲にでてこないのは、イメージに配慮してあるんだろう。
そもそもあのキラキラは、星空を真似ている。

よく考えたらあらゆるライトは、太陽の真似だ。
そしてすっかり忘れてしまっているが、

太陽光線も実は「スターライト」だよ。

 

そして、テレビ」は、受動の比喩だったりする。
なにもしなくても、目と耳さえ開いていればすべてをあたえてくれるメディアであるテレビ。
それじゃいけない、自分から、なにかを探し、求め、進まなきゃ!
という表現として「テレビを消したよ」がある。

この曲の世界観というか、視点の移動というのはなかなかにややこしい。

フロアにはBEAT」だ。

で、「ならばこの世にはLOVE!」。

ならば」?

「(ダンスホールやクラブの)フロア」と、「この世」が比較対象になっている。

じゃあこの「フロア」って、どこにあるんだ??

この世ではない…?のか…?

そうか、逆に、「フロアにはBEATしかない」という解釈もできなくはないか。

うーん難しい。

 

と思っていると、「きっと正しいだろう、と、断りが入っている。
間違ってるかもしれないけれど、という前提がある。
うん、きっと正しいと、思う。

フロアという非日常の世界があって、それ以外の日常を「この世」と表現しているのかもしれない。

そう考えればしっくりくる。

きっと正しい。

 

ちょうど、2014年末の衆議院選挙の様子を見ながらこれを書いているのだが、世の中を良くするサプリとしては、ロックスターのrhyme(ライム)」の方が有効な場合はあると思う。

これ、よく「ロックやってまんねん」という人が、かんたんに言うことっぽいんだけども。
「ロックで世の中変えようぜ!」っていうやつ、ね。

悪いけど、ロックでは、世の中は1ミリも変えられないんだよ。
変えられるのは「ロックスター」であって、ロックではない。

いや「ロックスターらのロック」であって、「お前のロック」ではない、と言い換えてもいいか。

どうも、ロックっていうのは連呼するとバカっぽくなってしまうのでこれでやめておこうと思う。

ただ、歌詞では、ここを明言しない(「ロックだぜ!」と言い切らない)ことで、絶妙の雰囲気を醸し出している。考えるきっかけになる。

ついでに言うと、「政治家のsmile」って、だいたい気持ち悪いよね。
どんな党でも、それは同じだった。

「夜は堕ちてくる」というのは、朝のことなんだろうか。
じっさい、夜になるために落ちてくるのは「陽」ですから、朝が来る前に、という意味なんだろうか。

だとすると、「やっておくのだ」ということだな。

準備しておくんだ、という。夜のうちにね。

「誰かが変えてくれると思うその前に」っていうのもそうだ。

自分で切り開くのだ、ということだ。

「歌う」はその比喩。

黙っていてもなにも変わらない、誰かに与えられるのを待っていては、あとで不平不満がでる結果が出てグチるだけになる。

まず「やれる気になる」ことが重要。

「やれる!」って思わなくていい。
「やれるんじゃないか…!?」っていうところから、ムズムズと、動き出そう。

 

「人生の大いなる肯定」。

この曲こそが、そうだった。