憚りながら

憚りながら (宝島社文庫)

元山口組後藤組組長、後藤忠政氏のベストセラー。

武闘派として知られた「後藤組」の、得度して仏道に入った組長の、赤裸々な独白。

一人のおじさんとして、古き良き時代を知る男性として、今の日本を憂う気持ちはよくわかりますし、その意見は全くもって正しい。

ただ、やはり引退したとは言えヤクザは今まで、散々カタギを泣かせることで儲けてきたわけでしょう。

極道はなんたらかんたらと言ったって、いくら豪邸に住んだって、カタギを泣かせてメシ食ってるのがヤクザでしょう。

そのシノギや酷い犯罪行為は「いろんな会社があるからわからねえ」とか「俺は知らないけどね」とか適当にごまかして、日本には男がいなくなっただの小チンピラが増えただの言われても、やはり鼻白む部分はぬぐえません。

…と思うと、この書は、「読者をそういう気分にさせる」目的も持ってるのかなと。

つまり組長は、乗せられて、善意で、いろんなことを喋らされてるな、という印象なのです。もちろん発言の責任は本人にあるので、「編集者め!」というようなことは思わないんでしょうが、やはり、「乗せられてる」感は否めない。

ヤクザは一般社会に溶け込もうと努力してるのに、警察が、法律が、社会が、生きにくくしている、と後藤氏は主張します。

 

この論理って、ちょっとおかしくないですか。

だって、人間が、「ヤクザでいる必要」がどこにあるんですか。
生きにくく、世間の常識から外れた生き方しかできないからと言って、指定暴力団に所属している意味が、どこにあるんですか。

半グレや、イタリアマフィアのように「地下に潜る」方が怖いよ、という意見もよくありますが、それはそれで「地下マフィア撲滅運動」をやればいいのであって、「だからヤクザを守ろう」という論理はおかしいでしょう。

「ヤクザには人権がなくても、その家族は関係ないだろう。子供は学校にも行けないのか?」

という論理も理解はできますが、「ヤクザをやめて普通に働く」という選択肢はないのか?と言い返したいところです。

家族に人権はないのか?とヤクザの方はよくおっしゃるようですが、堅気の家族の人権を蹂躙して生きているのがヤクザのはずでしょう。

他人は「弱肉強食だから仕方がねえ」みたいな理屈で居直って、ヤクザは任侠だし伝統だし男道だから守るべき、は通りません。

 

現場のリアルな声が。

意外なすごい収穫だなぁと感じるのは、文庫本に収録されている、東日本大震災時の、援助活動の章です。

福島に救援物資を届けるために著者が活動した、細かな初動の記録が綴られている。
生の声であり、逼迫した当時の状況がよくわかる、貴重な記録だと思います。
そして民主党政権が、いかにダメだったかもよくわかります。

 

 

YouTubeで鬼のようにコスられているこの動画ですが。

再生回数www

人気あるんですよね、後藤忠政氏は。
魅力ある人物だということは、間違い無いようです。

 

 

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