4月〜5月の「LAST GIGS」を控え、ベストアルバム、「L’EPILOGUE」が発売されている。
歴史を網羅したという触れ込みで、なんとBOØWY時代の楽曲を再録したとのことで、色めき立った人も多いだろう。
BOØWY時代の楽曲から始まるDisc1、
ソロデビュー作「ANGEL」から始まるDisc2、
そしてライブ音源が収録されたDisc3。
やはりここ最近の作品の中でも、もっとも耳目を集めるのはDisc1だと思われる。
そのラインナップは…
【CD1】
01. ミス・ミステリー・レディ【BOØWY】
02. 黒のラプソディ【BOØWY】
03. “16” 【BOØWY】
04. CLOUDY HEART【BOØWY】
05. わがままジュリエット【BOØWY】
06. WARRIORS
07. Silent Blue
08. MONOCHROME RAINBOW
09. FOLLOW THE WIND
10. So Far So Close
11. ONE LIFE
12. FUNNY-BOY【BOØWY】
13. 唇にジェラシー【BOØWY】
14. WILD ROMANCE
15. REVOLVER
【CD2】
01. ANGEL
02. DEAR ALGERNON
03. LOVER’S DAY
04. SUMMER GAME
05. MISTY~微妙に~
06. JEALOUSYを眠らせて
07. CRIME OF LOVE
08. KISS ME
09. VIRGIN BEAT
10. STAY
11. 魂を抱いてくれ
12. NATIVE STRANGER
13. ダイヤモンド・ダスト
14. SLEEPLESS NIGHT ~眠れない夜のために~
15. BANG THE BEAT
16. IF YOU WANT
【Live CD】(初回生産限定盤特典)
01. B・BLUE【BOØWY】
02. Claudia
03. LOVE & GAME
04. Bloody Moon
05. HEAT
06. Girls Be Glamorous
07. TO THE HIGHWAY【BOØWY】
08. PLASTIC BOMB【BOØWY】
09. MARIONETTE【BOØWY】
10. ONLY YOU【BOØWY】
11. SWEET REVOLUTION
12. CALLING
13. SQUALL
14. WILD AT NIGHT
15. The Sun Also Rises
まぁ、3枚目のライブは良いとして。
Disc1の選曲!!
01. ミス・ミステリー・レディ【BOØWY】
02. 黒のラプソディ【BOØWY】
03. “16” 【BOØWY】
04. CLOUDY HEART【BOØWY】
05. わがままジュリエット【BOØWY】
12. FUNNY-BOY【BOØWY】
13. 唇にジェラシー【BOØWY】
これら、BOØWYの楽曲の中で、氷室京介が「作曲も」してる曲なのだ。
ほとんどの作曲は布袋寅泰が担当していたBOØWY。
両人ともが曲を作って他のだ。
なかでも
05. わがままジュリエット
は、
当時、山下久美子さんと結婚しぞっこんだった布袋寅泰が、あまりにもBOØWYをほったらかしにするため、ヒムロックが「よし、じゃあ俺が」と機材を一気に揃えて作った曲だ、と伝わっている。
あとは、
12. FUNNY-BOY
13. 唇にジェラシー
やっぱり初期の曲が多い。
おそらく、10代の頃に書き上げた曲だと思われる。
メロディという点で、BOØWYの中では歌謡曲っぽい。そのあたり、とらえ方次第では「歌謡ロック」の範疇に入れられてしまいかねなかったメロディと詩。そして歌唱力。
それを、見事にロックに仕上げているのは、やはり布袋寅泰のセンスなのだろう。
特に、
12. FUNNY-BOY
この曲には、「こんな曲をどうやってロックにするのさ…」的な苦労の跡が偲ばれる。
現在の歌唱で再録されたBOØWYの曲たち。誤解を恐れずに言えば、当時のオリジナルに比べると、ボーカルが「ねっちょり」聴こえるw
歌い方もさることながら、ボーカルに強めのリバーヴがかけてある。
楽曲の、音色のすさまじい再現性から比べると、違和感を感じるのも当然のことだろう。
03. “16”
に限って言えば、そもそも歌えない量の歌詞が入れ込んであるわけだ。歌詞を改変して、歌いやすく仕上げて再録してあるが、そういう「いってしまえ!」的な若いノリ、みたいなものが、やはり昔はあったということだ。
だからこそ、そういう刹那的な美しさに、われわれは燃えた。そしてその刹那主義は、あの絶頂での解散につながっていったということなんだろうと思う。
個人的には、リミックスされた
08. MONOCHROME RAINBOW
09. FOLLOW THE WIND
確かアルバム『FOLLOW THE WIND』は、当時吹き荒れたコピーコントロールの嵐の影響を受けている。
CCCD、というやつだ。
「あれはCDではない!」とう意見もあるくらいで、今やなんのことかわからない仕様www
この2曲を含めて、BOØWYの曲を除けばDisc1、少し不思議な選曲だなぁという印象はある。
それにしたって、すべてが10代の衝動から繋がっているようなベスト盤。今までに出たベスト盤から比べても、やはり「エピローグ」と銘打つだけに、内容は異色中の異色。
個人的には、氷室京介のヒストリーを聴いてきた者としては、その「マスタリング」や「アレンジ」の多様さと移り変わりに、心が軋みます。
4月下旬から始まる「LAST GIGS」。
会場は、熱狂より悲哀、興奮より愛惜に、みち溢れるのではないだろうか。