よく、テレビを批判するのに「視聴率という、非効率な数字に頼っている」的な言説がある。
そんな少ない世帯調査で、何がわかるのか、と。
昔はビデオリサーチと、ニールセンという会社が調査していたそうで、今は外資であるニールセンが撤退し、ビデオリサーチ社の独占市場。
http://www.videor.co.jp/data/ratedata/top10.htm
同社の3割以上の株式を電通が所有しており、「えっ、それって」とシロートなどはゲスっぽい勘ぐりを入れてしまいたくなるが、どうなってるのかは知らない。
それにしても、「視聴率なんて、たった900世帯(関東の場合)のテレビに調査機器をくっつけて調べているとのことで、
「そんな少数のデータで何がわかるものか」
「世間とずれている」
「ネットで見ている人はカウントしないのか」
「録画は?」
「NHKが視聴率を気にしてどうする」
など、いろんな批判をされているのはなんとなく、みんな知っている。
でも…
「逃げ恥」の最終回、視聴率は20.8% 初回から倍増
http://www.asahi.com/articles/ASJDP3CZVJDPUCLV006.html
とか。
タモリがゲストのスマスマ視聴率、瞬間最高18・6%
http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20161221/enn1612210830006-n1.htm
とか。
褒める時は、視聴率で褒めてる。
で、みんな、「スゲー」とか言ってる。
ファイティング原田の時代、ボクシングの視聴率は50%を超えたりしたそうだ。
視聴率調査開始(1962年12月3日)からの全局高世帯視聴率番組50【関東地区】
http://www.videor.co.jp/data/ratedata/all50.htm
5位。
23位。
25位。
ビートルズ日本公演に余裕で勝ってるファイティングw
いやいや、「視聴率なんて!」という批判がまっとうで、そこからテレビが変わっていく、みたいな論調が正しいんじゃなかったのか?
「視聴率がいい番組はやっぱりすごい!」と、20%越えのドラマがあるとそちらへ流れていく傾向って、ない?
おかしいな、といつも思う。
もちろん、「みんなが見た」と「素晴らしい」は、完全なイコールではないけれど、重なっている部分は多いはず。
「みんなが見た、が正義」という考え方が主流なら、「視聴率偏重」が是正されることは、原理的に不可能だ。
ネットでよく見る「視聴率なんか関係ない」と「視聴率悪いし誰得」みたいな、矛盾した言説に、違和感を覚える。