靖国神社に参拝してきました。
大都会東京のどまんなかにある靖国神社は、いつ行っても真夏にしては木陰が涼しく、ひろびろとして爽快、それでいて心が静まる静謐さを讃えています。
しかし、8月15日に行くことに、一定の意味があるんですよ。
誤解を恐れずに言えば、 まったくもって「お祭り」ですからね。
朝7時、九段下の駅から地上に上がりました。
左手の建物は「昭和館」。
戦中戦前戦後の、貴重な国民生活についての資料や、家財道具、時代がしのばれるさまざまな展示物があります。
すべて、寄贈されたそうです。
奥に見えるミドリっぽい屋根は、言わずと知れた「武道館」です。
カメラを斜めにして撮っているのでわかりませんが、 左手から右手にかけては、登り坂になっています。
はい、「九段坂」と言います。
駅名は九段下なので、その次に八段上があってその次が八段下、 で七段上・七段下とか、そういう感じかなと思いますがそんなことはいっさいありません。
京都のようにはいかないのです。
朝7時ともなると、この日はこの地点ですぐに、マスコミの街頭インタビューが行なわれています。
去年とかの映像をそのまま使っても絶対にバレないと思うほど、ステレオタイプな質問の繰り返しです。
別にインタビュアーもカメラマンも「靖国の英霊に」とか「日本の国家としての」とかはいっさい思っていないはずなので、そこはたんたんと、時間ある限りインタビューし、時間のある人が親切心でそれに答える、といった感じですね。
この手前では、「中国共産党による法輪功への弾圧を許すな」の団体と、「台湾との友好を!」のビラ配りをしている一団があります。
この人らって毎年いますよね?
毎年、場所取りは前々日とかから陣取るんだろうか。
テキ屋を仕切るヤクザのような存在がいるんだろうか。
いや、この道でこの政治的な活動が勝手では許可されるわけないから、警察が許可してるんだろうな。
しかしなんとなく少しだけ違和感があります。
中国の横暴を訴えるというのは、別に今日 靖国神社前でなくたっていいわけで、渋谷のど真ん中だったいいでしょう。
でも今日、ここにいるということは、「首相などの公式参拝に抗議しているのは中国共産党」という前提があって、「そんな中国、許すまじ」な人々の 参拝を目当てに、出店(?)しているんですよね。
朝7時。前回は朝6時に到着したんですが、 それにくらべると参拝客はゆうに10倍。
みなさんも、ゆっくり静かにお参りしたいなら、 朝6時より前に行く事をお勧めします。
いや、8月15日以外に行けば確実にガラガラです。
大村益次郎像。
思いっきり頭にハトが乗ってましたけど。 ハトチョンマゲ。
大門前です。
左右の木陰には、「それらしい団体」の方はぞろぞろ。
関係者ってやつ?
なに関係なんだろう。
なんだか挨拶の応酬がきこえる。
門をくぐると、社殿が見えてきました。
タイミングよく、あまり人がいない感じに撮れてますが、 このすぐあとにはもうたくさんの人手になりましたよ。
いい天気。
晴れやかな空。
神社って荘厳ですね。
古刹(こさつ)はまた古刹で古めかしさに歴史を感じたりしますが、こういう綺麗な社殿も、立派で感動します。
綺麗に掃き清められた境内。
いろんな恰好した人も来ていました。
半分コスプレと勘違いしている人も。
日本帝国陸軍の格好した人だけでなく、ドイツ兵の恰好した人がいたり。
それは違うだろうと言いたくなりますが、 これも自由のなせるワザなり。
お賽銭を入れ、参拝を済ませ、門を出て横道にそれました。
靖国通り沿いに出ると、あまりまだ お店は開いていないんですが、 ほぼ唯一ゆっくりできる場所、ドトール。
席数が少ないのであまり長居するのは気が引けましたが、 タマゴサンドセットで一息つきました。
このあと、内堀通りをまたぎ、次を右折。
お堀沿いに、千鳥ヶ淵へ向かいます。
春は桜の名所になるこの散歩道。
しばらく歩くと 「千鳥ヶ淵戦没者墓苑」があります。
ここは、 身元のわからない戦死者を祀る施設。
神道ではない形式での供養が出来るということで、さまざまな人が出入りしているという場所。
名前は出しませんが、 あのスター歌手の方も、来られてました。
へえ。 おや…交差点を超えると、なにやらモメてる雰囲気が…。
遠巻きに、取材カメラも撮っている。
どうも、歩道で、「行くの」「行かないの」「行っちゃえばいーじゃん」 みたいな、押し問答をしているようです。
警官もたくさん。 その近くにはほんの少しの野次馬と(われわれです)、 あとは、遠近(おちこち)に見守る、「関係者」。
いやしかし、先ほど境内にいた右翼関係者とおぼしき方々は、髪型の決まりぐあいとか、醸し出す暴力的なオーラとか、 スーツ着ててもわかるわけですよ。
それと同じように、サラリーマンのような服装で立っているのだけれども、どこか目つきに油断がない男性とか、あれ、同じ様な黒いバッグを必ず持ってるな、とか、 それでなくても、いやおじさん、 そんなとこにたたずんでること自体がまず、 違和感あるでしょ、という感じの人がたくさんいる。
そういう方は、いわゆる「公安」なんですよね。
少し離れたころ、奥の交差点に黒塗りの、右翼の街宣車が。
拡声器で「なんだオラー」みたいなことを言っています。
「こりゃー!お前らー!」みたいなこと言ってます。
結局これは、コレだったんですね。
韓国議員ら靖国神社近くで抗議
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130815/k10013794451000.html
安倍政権非難の韓国議員ら入国
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130814/kor13081421090003-n1.htm
そういえば車いすの方が、モメてる時歩道のとこにいました。
韓国議員、靖国神社近くで抗議 両政府、自制働きかけ
http://www.asahi.com/international/update/0815/TKY201308150052.html
さっき聞こえた「コラー」は、「KOREA」だったのかな…。
そりゃ、韓国にだって「スタンドプレー」という概念はあるだろうし、国の事を思うなら順序として 日本糾弾じゃなくて本国でやること山積じゃないのか、 と韓国のことを勝手に心配することもできますが、 今日、この日にここへ来るという「度胸」はすごいですよね。
ハッキリ言って飲み屋政談でモメるのとはわけが違いますからね。
日本全国から右翼が集結している終戦記念日の、しかも象徴である靖国神社、図らずも皇居も近いこの場で、もし境内でそれなりの示威行為を彼らがしたら、ほんとに、集団心理と愛国心が攻撃性を助長して、なにが起こるかわからないわけです。
「愛国無罪」なんていうフレーズが飛び出しかねないほど、命に関わる事態が予想されます。
だから、警察としては、「行かないで欲しい」と言ってたんですね、韓国の国会議員に。
そりゃ、事なかれ主義と批判されることもあるでしょう。
しかし、靖国神社の敷地内での刃傷沙汰は避けなければならないでしょう。
それこそ恥ずかしいですからね。
「手だしたら負け」みたいな。
「両政府が自省を求める」なんていうのが問題じゃないですか。
日本はともかく、韓国政府は煽ってるわけだから。
この国会議員も、帰国して除籍とか議員資格剥奪とかにはならないけでしょ?
じゃあ韓国政府が黙認してるってことになるんじゃないのかなぁ。
とにかく「毅然とした態度をとる」ことがなにより大事ですね。
大阪ミックスジュースとサンドイッチ。
また食べた。
で解散。
この記事が参考になったりすると思うので、 人生に一回だけだと決めて(もいいので)、 読んでみて下さい。
結局「A級戦犯」のせい?海外紙が靖国参拝を問題視する理由
http://newsphere.jp/world-report/20130814-2/
暑い夏の日。
終戦記念日。
考えざるを得ない機会があることは、実は、 とてもありがたいことだと思います。