もはやサブタイトルが「呂布の末路」であるこの第14巻。
秋風の吹く頃、名家・陳(ちん)親子の謀略にはまり、暗闇で同士討ちなどする内に窮地に立たされることになる呂布。
女の言うこときいて作戦をとりやめてしまったり。
娘を袁術に嫁がせることもままならず。
結局、裏切り続けたことの報いか、最後は部下に思いっきり裏切られてとらえられ、曹操に首を刎ねられてしまった。
ああ、もう、「指先どうなっとんじゃ」を見ることは出来ないのだろうか。
前巻でなんとか、曹操にその秘技が受け継がれたのを見届けたのだが、今後、呂布ほどの「指先どうなっとんじゃ」を見せてくれる猛将が現れるとも思えず、ただ悲しみと無常観に打ちひしがれるばかりだ。
この巻のラストシーン、まさに呂布が斬首されるシーンでは、裏切った部下である候成(こうせい)や魏続(ぎぞく)たちだけでなく、玄徳、張飛、関羽も、なぜかアブラ汗のようなものを浮かべて凝視している。
呂布のやったことを思えば、曹操の処置はそう苛烈だとも思えないが、一時期は囲い、養い、酒を酌み交わし、味方だった呂布のあっけない最期に、思わず戦国の世の儚さを見た、といったところなのだろうか。
そして、赤兎馬はどうなってしまうのか…。
三国志としては、ここがひとつの区切り、なのかも。
過去最高と言われる作品「指先どうなっとんじゃ」。