動乱の幕末でわずか6年だけ存在した「新選組」。彼らはいかにして歴史に名を刻む【伝説(レジェンド)】となったのか――? 武州多摩の“バラガキ”土方歳三は、「武士になる」という厚い夢を胸に、近藤勇、沖田総司ら同志と共に京都へ向かう。徳川幕府の後ろ盾のもと、芹沢鴨を局長に擁し、市中を警護する新選組を結成。土方は副長として類まれな手腕と厳しい法度で組織を統率、新選組は討幕派勢力制圧に八面六臂の活躍を見せる。お雪と運命的に出会い惹かれあう土方だったが、時流は倒幕へ傾いていき―――。 剣を手に命を燃やした男たちの知られざる【愛】と【戦い】が、今幕を開ける!
司馬遼太郎原作。
坂本龍馬がいっさい出てこないというのも工夫だ。
司馬遼太郎作品の中で「竜馬がゆく」と並んで『幕末ものの頂点』をなす長編だけに、映像表現では過剰さを抑え、戦いを旨とする男の静かな情念と怒りを表現している。
そして一橋慶喜を徹底的に愚君として描く。
近藤勇と同じく、30代前半で戦死した彼にとって、戦いは人生そのものであり、青春そのものでもあったと言える。
若い志士たちが維新を成したが、またその若さゆえに流されてしまった血も多い。
明治維新は無血革命でもなんでもないし、会津人が持つ、薩摩・長州への恨みは、現代にも続いている。