LAにある現金輸送専門の警備会社フォルティコ・セキュリティ社。日々、現金輸送車/キャッシュトラックを運転するのは、特殊な訓練を受け厳しい試験をくぐり抜けた強者の警備員たち。そこに雇われた新人パトリック・ヒル(ジェイソン・ステイサム)、通称“H”。試験をぎりぎりで合格した彼は周りから特に気に留められる存在ではなかった。しかし、彼の乗ったトラックが強盗に襲われた時、驚くほど高い戦闘スキルでそれを阻止する。さらには、再びHの乗るトラックが強盗に襲われると、彼の顔を見た犯人たちはなぜか金も奪わずに逃げてしまう。彼は一体何者なのか?周囲が疑心暗鬼に陥る中、全米で最も現金が動く日“ブラック・フライデー”にフォルティコ・セキュリティ社に集まる1億8,000万ドルの大金を狙う強奪計画が進行していた…。
重厚かつ残酷な犯罪。
「現金輸送車」に焦点を絞った犯罪は、綿密な計画と周到な準備で、成功するかに見えた。
問題は「ものすごいやつを敵に回してしまった」という、その一点だった。
主人公、そもそもお前も強盗組織の犯罪者じゃないか、と思うと、復讐劇とはいえ、彼も過去には同じような殺人を犯してきてるんだから因果応報か。
ラスト、けっこう撃たれたはずなのにすごい惨劇の現場から、どうやって病院も行かず聴取もされずに抜け出して辿り着いたんだろう…。
謎は残るが、残酷ながら痛快さもあるクライム・ムービー。
もしかするとジェイソン・ステイサムじゃない方がかえって良かったのでは?とさえ思えてしまった。