第二巻は、劉備と張飛・関羽の三傑が、それでもまだまだコキ使われまくるシーンで埋められている。
それでも超人的な活躍をする張飛・関羽のヒゲ将軍コンビのお陰で、評判は上々。
身分社会における「ただ強いだけのヤツ」というのは暴れん坊の荒戎(あらえびす)、力で押しまくるパワー属性野郎として蔑まれる傾向にある。
一番エラいのは、武力に優れた人ではないのだ。
儒教社会において、学問を修めて自らは闘わないのが最も立派であって、自分で槍をかついで人を殺すというようなものは野蛮で卑しい身分であると。
この差別意識は後に、日本にも輸入される。
この時代、日本は卑弥呼。
「卑弥呼」、もちろん「魏志倭人伝」の「東夷伝」に出て来る記述だから、日本の書き方ではない。
いみじくも先ほど、「卑しい」と書いたそのまんまの文字が使われている。
周辺諸国を一段も二段も蔑んでみている「中華思想」のなせるワザだが、そのころの日本にはそれに対抗する文明はなかった。
文字もない。
さて、黄巾賊の乱との戦いに明け暮れる第二巻だが、この黄巾賊の乱とて、漢朝の政治の乱れが原因で起こっている。
というか中央集権国家が連綿と続く大陸の歴史で、政治の腐敗というか朝廷の悪政のない時代なんてあったんだろうか。
黄巾賊を退治してくれる!と立ち上がった劉備たちだが、その黄巾賊だって、「漢朝は腐っておる!」という強い自覚を持ち、さらにそれに同意する多くの人々がいたから成り立ったのだろう。
そう考えると、やはり中国大陸で、うまく全体を政治的に治めるのはやはり不可能なのではないだろうか、と思わざるを得なくなってくる。
とにかく人口が多すぎ、領土が広すぎ、
それに加えて野望もつヤツ育ちすぎ。
モメ続けるのも当然だわ。
引き寄せて考えてみても、現在の中華人民共和国、まとまってまだ70年ていど。
戦乱と虐殺の歴史なら4000年続いている中国大陸で、今後どんなモメ事が起こるのだろうか。
しかし中国は今も共産党一党独裁。民族の記憶に、中央集権が染み付いている。
日本とは違うなぁ。
歴史上、これより壮大な逆算があっただろうかwww
蜀皇帝への道をハッキリ智覚する関羽。
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