統一地方選挙の際など、候補者多数の場合には何度も使えると思うので、
追記することにしました。
記事内の期日は執筆当時のものです。
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統一地方選挙が行われます。2015年4月26日が投票日。
市議会。町議会。区議会など、国会議員とは比べものにならない数の議員さんを選びます。
それに向けて、さらにたくさんの候補者が突進します。
うっかり東京になんか住んでたりすると、もう、こういう状態。
どうやって選べばいい?
普段、「◯◯市議と知り合い」とか「◯◯さん(区議)が同級生」という人って、どちらかというと特殊な部類でしょう。
日常生活の中で、議会を見学に行ったり市民オンブズマンをやってたり役所で働いていたりしない限り、議員さんに会うことなどは、皆無です。
で、急に、
これだけの候補者がずらりと並ぶんですから、「選べ」と言われてひとりの名前を書くとか、明確な基準がある方がおかしい。
今日は、そんな「誰でもいいわい」と思うしかない中から、
自然に優秀な候補者を炙り出す方法を、お伝えしてみたいと思います。
今度の日曜(投票)までに、ぜひ、役立ててください。
選んではいけない
さて、先日、ジャーナリストの津田大介さんが主催するサイト「ポリタス」に、面白い記事がありました。
地方自治ジャーナリストの相川俊英さんの、
「選んではいけないNG候補」の見分け方 5箇条
http://politas.jp/features/5/article/356
です。
この中で、選んではいけない候補者を見分ける方法ということで、5つの項目が挙げられていました。
『1つは、ホームページやフェイスブック、ポスターなどで知事や市区町村長、国会議員、地元外の著名人との関係の深さをしきりにアピールする候補者』。
『2つめは、自分の手柄話ばかりする人や逆に自分の意見を言わない候補者』。
『3つめは、自分の地元や支持団体、支持者にばかり目を向けている候補者』。
『4つめのポイントは、選挙公約。具体性に乏しく、スローガンやポエムのような公約を掲げている人はNG』。
『5つめは、自分のビジュアルやイメージを常に意識し、それをアピールするような候補者』。
詳細は、当該記事本文を読んでいただくとして、まったくその通りだと思いました。
つまり、「誰かを選ぶ」のではなく、
「ダメなやつをふるい落としていく」方法こそが、有権者にとって積極的な姿勢なのではないか。
これを今、「積極的消去法」と名付くww。
積極的消去法とは
さて、今回のこの記事が、恣意的で個人的なものと断りつつも、ある一定の支持をいただけるんじゃないかと夢想するのもむべなるかな、
たとえば都知事選なんかだと、そのインパクトからか、わりと
「おもしろい、わかりやすい人たち」が立候補してくれるじゃないですか。
国会議員しかり。
でもやはり地方選挙は、とにかくわかりにくい。
とてつもなく関心を持てない。
それゆえに、とんでもない人、またはその手先、半ば工作員、スパイそのもの、みたいな御仁が容易に行政に紛れ込んでくる余地がある。
だからこそ、かんたんな篩(ふるい)で、選別してしまう方法を、自分でもっておきたい、と考えたのです。
では、始めましょう。
かんたん6ステップ!
家の郵便受けに、「選挙公報」っていうの、入ってましたよね。
そこに、縦11cm、横12.6cmスペースを与えられた候補者が、おのおのの主張を顔写真とともに掲載しています。
手元にあるのは、世田谷区の区議会議員選挙の公報。
掲載されている候補者、82名。
ほんとに、10分で選別できるんだろうか…
ステップ1
まず、
◯共産党
◯社民党
◯立憲民主党
◯幸福実現党
◯生活の党と山本太郎となかまたち
などの党に所属している人を除きます。
これだけで10人が減りました。
だいたい「戦争をする国づくりストップ!とか平和憲法を!とか、書いてあるのですぐわかります。
ステップ2
ここから、
「わけのわからない、ぼやっとした、曖昧な文言しか書いていない人」を外していきます。
これは相川俊英さんの記事の4つめにも出てきます。
「ポエムは死ね」ですね。
やはり地方議会は生活との密着がたいせつですから、たとえば道路の問題とか、ほんとに「◯◯の交差点が危ない」みたいなことが、議員の働きかけで日々、改善されていったりしているので重要です。
だから、
「希望を持てる社会」とか「安全・安心」とかは大切なんですが、
もっと踏み込んだことを考えてくれてないと、
「そんなもん、誰でもそうじゃボケ」となってしまうのです。
たとえば、「88万人が輝くまちへ」という、茫洋とした、意味のない、イメージすらわかない文言を掲げられても、いったい何の、どんな政策で地域を…あ、いや、すいません、これは、すでにステップ1で外した党の方でした…。
そういう、
「本当にイメ−ジだけの、大きな言葉でケムに巻こうとしている、または政策などはわからないので“主婦パワー”とかなんとかで議員になりたい」みたいな人を、除外していきます。
ステップ3
現職の非難から入っている人を外す
こんなもの、誰でも言えます。
そして最後に「私も全力で取り組みます」と書いている。
ブーメランが今にも戻ってきそうで、こういう人は除外したいですね。
これはちなみに、自民党の人でしたが。
ステップ4
原発ゼロ!とかいう余計なことを書いている人を外す
できもしない言葉に酔っ払っているタイプは、いるだけで迷惑です。
区議会の場で「平和憲法の遵守」みたいなことを言われても、それは国政の場でやることで、進行の妨げにしかなりません。
原発ゼロ・平和憲法を守れ、というような宗教を信じているのは個人の勝手なのですが、その信仰のために区の税金を使うのは、やはり止めたい。
ひとりいらっしゃいましたが、勝手に首相官邸前で友達とデモやっててください。
ステップ2とかぶりますが、原発のある地域でもないのに、一足跳びになんの意味もない自己主張をする人は「自分のステータスのために議員になりたい人」。
ろくに仕事しませんから、外しておきましょう。
ステップ5
自分の経歴を異常に押してくる人を外す
あなたがなにをしてきたという自慢より、知りたいのはなにをするかです。
その前職がそんなにすごいんなら、なんで辞めたの?
っていう疑問も湧いてくるし、それをやってたから選挙区はおまかせ!っていうのには飛躍がありませんか?
そこは「ママの視点で」タイプの人も同じです。
なんでママだと政治が良くなるっていう論理になるのかぜんぜんわからない。ママのせいで、崩壊している家庭もたくさんあるのに。
生活において、ママの視点は大切ですが、わかるのは「ママの範囲だけ」ですよね。
ママって誰かのママでしかないですから、よその子とか、老人とか、または経済のことは「ママなのでわかりません」って言うかもしれない。
だから「◯◯を活かした視点」をあまりにも無意味に押してくるのは、ダメだと思うんです。
この時点で、そうとうな方々が消えました。
やってみるとわかるのは、多くの人が「安心・安全なまちづくり」とか「待機児童をなくす」など、課題というか目標というか、そういうことを書いているんですね。
安心で安全な街になったらいいなと思うし、子育て支援として、待機児童問題が解消されたらよいな、とは思いますし、課題だとも思います。
しかし、その具体的な方向性を1文字も書いていないと、「じゃあ、どうやってそれを解決するの?」がまったくわからない。
書いている人は、
「区内の小中学校の「耐震化100%」を達成」と書いているんです。
これ、「安心・安全なまちづくり」の具体的な施策ですよね。
100%というのは数字であって概念ではないですから、100%といったら「くまなくすべての小中学校」なわけです。
1校でも行われてなかったら計画未遂行、ですからね。
これ、「待機児童をなくす!」って掲げるのはいいんですけど、そのためになにをするか、すべてを縦11cm、横12.6cmに書けるわけがないにせよ、大雑把な目標なら誰にでも言えますからその時点で、脱落していただくしかない。
あと、とある政党(団体)の方々においては、「実現します!」という項目が、同じ党の方のコピペだったりします。
いやいや、じゃあアンタら2人出る必要ないでしょ…。
よく見るとプロフィールと写真以外、
内容同じだった…有権者ナメてます?
世田谷・生活者ネットワークの方々(書いちゃった)。
で、「実現します!」の枠の中に、「ごみを出さない、燃やさない循環型社会をめざす」という項目が1番上にあるんですけど、
「めざす」のを実現するの?目指せたら実現達成なの?
ほんと、こういう人らばっかりなんですね。よく見るとおもしろい。
選挙に立候補するような方々だから、立派な人たちばっかりなんだろうなと、漠然と思っていましたが、
縦11cm、横12.6cmものスペースをこんな風にしか使えない人らに、この広大な区をなんとかできるわけがない、という感じに思えてきました。
現時点で、82人だった候補者のうち、残ったのは23人。
この中から、より具体的な施策を打ち出している人、または実現してきている人を、選び出していきます。
難しいのは、やはり「実績あります!」という言葉は重い、ということ。
これだけのことをやってくれたんだ!という事実は重い。
しかししっかりした言葉で、わりと具体的に、「これをやる」と書いてある人にも、期待をしたい。
どちらを重視するか、なんですよねー。
そう考えると、実績ある人は、すでにそれを知っている区民も多いので、支援者もしっかりと確保しているだろう、と言えます。
その意味で、なにもその人を推さなくてもたぶん当選するから、できるだけ、
新人でも、
無所属であっても、
若くても、
未来への抱負を語っている人を応援したい、と思います。
具体的な数字がなかったり、よく見ると抽象的な言葉を使って、「やってきたこと」と「めざすこと」を、『実現』とか『解消』とかいう体言止めで曖昧にしている人もいることがわかりますがね。
多くの人を排除すると、最終的に残ったのは、10人、でした。
ラストステップ6
この中から最終的に1人を決めます。
この方法は、重大かつ最適なやり方で行います。
それは、再度「選挙ポスター」を見に行って、
「顔で決める」んです。
だいたい、顔にでてるもんでしょう、良し悪しなんて。
なので、それでいいんだと思います。
顔の印象って重要ですから。
82人の中から印象を絞るのは大変ですが、10人の中で「こいつはいい顔してる」を選ぶのはそんなに困難ではないはずです。
もちろん、昨今の選挙ポスターはフォトショップなどで修正してあったりして、現物とずいぶん違ったりもするでしょう。
「それも、込み」で見ましょう。
そんな眉毛はおかしい。
そんな年齢でその肌感は異常。
など、「なににこだわってるか」「どう見られたいと思ってるか」など、あんがい、どんどん取捨選択ができるものですよ。
見に行きまして、
とりあえず2〜3人に絞っておき、
さらに投票日当日に投票所前の掲示板を再度見て、
最終的に書く人の名前を決めます。
かんたんですね。
これで、まず間違いない。
自分の感覚と論理に基づいた、投票への責任も生まれます。
有権者として、やるべきことをやったと言えます。
だいたいいつも、先に、顔に騙されるから、「議員なんてウソつきばっかりだー」となるんです。
まずは選挙公報で、ウソ付き・バカ・役立たずをふるい落としましょう。
そして顔、です。
やってみてください。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
また来てね。