交錯する、3人の警官。
犯罪多発、と言えばかんたんだけど、
もうどうしようもないくらいに荒んだ地域では、犯罪は日常茶飯事。
犯罪を憎むより、うまく折り合いをつけるのは生きる術、というくらいの。
異なる事情を抱え、
異なる捜査を続け、
異なる運命をたどる。
その3人が、少しだけ交錯しつつも、やり場のない、行き場のない街は、
変わらず蠢き続ける。
やるせない、アメリカの都市。
アメリカはこうして部分的に、どうしようもない犯罪や貧困をかかえているわけで、
そこには麻薬があり、銃があり、人種差別がある。
抜け出すことはもはや不可能な階層の中で、もがき苦しむ多くの人がいる。
黒人の、ギャング社会みたいなものも垣間見えるけど、これは白人社会・ヒスパニック・エスニックなど、いろんな人種の中にもある。
そういう、「どうしようもない憤懣」や「永久に解決できない社会問題」が、戦争、への深い原動力になっている気がする。
これがアメリカだから、まだ、ハリウッドやらセレブやらシリコンバレーやら、世界的に注目される「明るい部分」を併せ持つことが可能になるわけで、
アフガニスタンとかシリアとか、ああいう地域だと、その「アッパー層」がなく、
圧倒的な貧困と飢餓と混沌が渦巻いてしまって、それは自然に「戦争」へと心が引きずられる遠因になるのではないかと。
終わりなんかない。
リチャードギアのエピソードは平凡すぎて、要らないんじゃないのという気がしてたけど終盤で大展開。
しかし日本ではリチャードギアのイメージが固定しすぎてて、「娼館へ通う」ことすら予想外に思える。
薄暗い、悲しい気持ちにはなったけど、
自分の恵まれているこの環境にも気づかされるのは確か。
単純に、「日本でよかったぁ〜」と思える。
なのに、犯罪に手を染め、麻薬に手を出し、あまつさえ人殺しをしてしまう日本在住者って、なんなんだ。