もうだんだん、どちらに大義があるのか わからなくなってきている。とりあえずは皇帝の威を借る奸賊と化している董卓を、 曹操が集めた義軍が攻める、という形だが、その集合体の中でもモメまくりゴネまくり不信感渦巻きまくり なので、“ああ、これ、この漫画、この物語、7巻くらいで終わるとかは絶対にありえないな”ということだけはわかる、という感触。
董卓は都を事実上占領しているのだが、 体勢が少しヤバくなってきたので、逃げるように遷都。
この巻では、 いくら傀儡といっても皇帝の姿すら出て来ません。 漢王朝、ないがしろにされすぎ。 しかも遷都に莫大な費用がいるからと、 墳墓を暴き王陵を掘り返す始末。
徳川埋蔵金どころではない。
でも正直、「こういう手があったか」と思わんでも無い。 そして洛陽を捨てるとき、なぜか「焼いていく」。
要らなくなって捨てる街や施設は、 敵に使わせないために焼いて行く、壊して行く。
第二次大戦では「三光作戦」、 または「清野作戦」などと呼ばれたような、 強制的焼き払いをして去って行く。
井戸に毒を放り込んだり。
とにかくヒドい。
敵味方の戦い方はともかく、そこに住む領民など虫ケラのようにしか考えていない中華の伝統、か。
董卓の、命を命とも思わぬ傍若無人で横暴な振る舞いで、 すでに「あ、こいつ滅ぶな」というフラグは立っているのだが、数十万の攻め手からいったん逃れ、 後に呉を大国にする孫権の父・孫堅 (現地の発音は違うんだろうけど)と、後に魏を建てる曹操、そして蜀の皇帝となる劉備玄徳が、目的を同じくして戦うという局面がもう少し続く、 といったところ。
ただし、 現時点ではぜんっぜん身分が違うというのが、面白いところ。