演出として、いろいろな試みがなされた意欲作、と言えるのではないでしょうか。
70年代に入り、「若者」が社会の主役として注目される時代。
フォークやダンスパーティなどの流行と、公害などの社会問題が混沌とともに描かれている。
前作よりも「公害」をモチーフを強烈に表現したへドラ。
へドラは、形態を変えるタイプ。
「シン・ゴジラ」は個体のまま「進化」してしまいましたが、へドラは正しく「変態」を繰り返します。
もはや日本の敵はヘドラ、すなわち公害であり、大企業であり、高度成長期を牽引した経済力の暗黒面なので、ゴジラは完全に我が味方。
あれ?そうなるとゴジラは何を暗喩してるんだろう、ということになってきますね。その辺の曖昧さが、ひょっとしたらゴジラ映画衰退の、一つの遠因なのかもしれません。
劇中では電気で乾燥させる作戦を立てるのですが、へドラに備えて、「予備役を含めて自衛隊全部に出動命令が」というアナウンスがテレビから発せられます。
深刻な憂国の危機です。
またもや富士山麓でヘドラと対決するゴジラ。
途中の展開が目まぐるしくて脈絡が全然繋がってないんですがw、関東中部を全て停電させて300万ボルトを集中させた(経済的に壊滅的打撃ではないんでしょうか…w)、作戦は何とか成功。
「全く生物としての埒外にあるのだから、酸素が効く」という驚天動地の理屈による足止めが功を奏したようです。
で、驚くなかれ、この回のゴジラ、飛行しますwwww
なかなかのアイデアですが、そんなアホなな飛行形態なので、この後は2度と採用されなかったようですね。
たっぷりとした公害の権化vsアイドル怪獣の格闘。
片目を強硫酸で潰され、傷つきながらもヘドロの集大成を倒すゴジラ。
去り際には、哀愁を感じさせてくれます。
それは、行きすぎた工業化への、警鐘なのでしょうか。
そしてゴジラはいつしか、「どこからかやってきてくれるヒーロー」になっていました。
この作品も、オープニングのとてつもないテーマに心底、驚かされますよ。
夢に出てくるレベルのw、豪快な歌詞。
今では考えられない。
かえせ!太陽を
映画人が、ゴジラに乗せてこう言うメッセージを出さざるをえない。
そんな世相が、最後の最後まで鬱陶しいくらいに感じられる作品ですwww
1000ピースもかけてこれ作る人います??