『蒼穹の昴』に続く清朝宮廷ミステリー・ロマン!
誰が珍妃(ちんぴ)を殺したか?愛が大地を被い、慟哭が天を揺るがす──荒れ果てた東洋の都で、王権の未来を賭けた謎ときが始まる。
列強の軍隊に制圧され、荒廃した北京。ひとりの美しい妃が紫禁城内で命を落とした。4年前の戊戌(ぼじゅつ)の政変に破れ、幽閉された皇帝・光緒帝の愛妃、珍妃。事件の調査に乗り出した英・独・日・露の4人の貴族たちを待っていた「美しい罠」とは?降りしきる黄砂のなかで明らかになる、強く、悲しい愛の結末。
謎に包まれた大国・清の崩壊。
近代化した列強が蹂躙した大地。
決して、西太后を悪者だけであるとは見ない、「浅田史観」の暖かな目線。
「中原の虹」「蒼穹の昴」とセットで読む必要が、ある。
この2作品のスピンオフ、とも言えるかもしれない。