こういう記事が、出た。
テスラの車載カメラがとらえたドライバーの日常が社内でネタにされている
https://www.gizmodo.jp/2023/04/tesla-shared-sensitive-recorded-by-customer.html
テスラが販売している自動車には、オートパイロット機能(半自動運転モード)がついており、いわゆる「自動運転」の先駆けとして日本でも人気だ。
オートパイロット機能はカメラで捉えた映像を分析して運転に反映するわけだから、車体の内外に、たくさんの小型カメラが設置されている。
完全自動運転ではないから、搭乗者が居眠りをしないように車内を監視するのもカメラの役割だそうだ。そして撮影したカメラの映像は全て、テスラ社にフィードバックされている。
「車内」という超プライベート空間であっても「監視」されているに等しい。
だが機能のため・安全のため・技術向上のため、ユーザーはそれを許容している。
「不正にアクセスされない限りにおいては」、だ。
記事にあるように、映像をAIが分析する上でその能力を向上させる役職を担う人には、一般に同意を得ているプライバシーポリシーを超越する権限が存在する。
その人が平気で漏洩させて、社内で車内の映像を面白がって回覧してるんだから「テスラ、キモッッ!」となるのは当然だ。
車外のカメラは、車庫の様子や「車庫でユーザーが何をしているか」まで映し出しているだろう。もはや「自動車」が担う範囲を逸脱している。
そんなことまで、ユーザーは絶対に同意するはずがない。
わかっていたら買わない。
もちろん、技術の向上と「実験台」となるユーザーの犠牲はある程度まではトレードオフの関係にある。「小型カメラ」に関わる技術だとなおさらだと思う。
ただ、それを犠牲とは呼ばないだけだ。
「自動的に、プライバシーに関わる部分にはモザイクがかかります」と技術者が言ったとて、特殊な役割の社員はそれを外して見る権限を有しているだろうから、意味がないのである。
品行方正で絶対に笑われない乗車態度・生活習慣が購入者には常時、求められる。
おや、嘲笑されない「つまらない態度」こそがもっとも自己防衛に役立つ。
テスラ社員が車内の映像を暇つぶしに笑いのネタにして嘲笑していたことは当然、大問題だが、もっと問題なのは「それがバレた」ことだろう。
辞めた社員がリークすることはそもそもあり得るが、ベラベラ秘密をしゃべる奴らにもユーザーのプライバシーが安易に漏洩している事実はとてつもなく恐ろしい。
そして辞めた社員がバラすということは、勤務時の待遇やレイオフのひどさも、そこに影響していたのだろうと推察できてしまう。
そうなるともうテスラ社が車体に何を仕込んで輸出しているかなんて、陰謀論者じゃなくても想像を逞しくせざるを得ない。
テスラ、クリーンで最先端。