発売になったTRICERATOPSのアルバム
『SONGS FOR THE STARLIGHT』。
シアトリカルなアプローチさえ感じるアルバムの歌詞を読んでいくと、そこには
「現代を冷静に見る心象風景」と、
「男としてのモヤモヤ」と、
「人生の大いなる肯定」が含まれていました。
そこで、全曲に対し、「ああ、そうですよねえ」という感嘆を簡単に示しつつ、
いっしょに楽曲を聴きながら、より歌詞世界を堪能できる工夫として、勝手な解説を書いて見ることにしました。
歌詞は、メロディに乗っているからこそ理解しやすく、心に届くことがあります。賛美歌しかり、般若心経しかり。
そして、メロディにしか乗せられないという制約は、それゆえに意味を倍増させることがあります。
つまりは、なにかの隠喩になっている。
たとえば「二人」という言葉が出てきたとしても、それは1対1の恋愛をはさんだ関係性だけでなく、対人関係すべてに呼応する比喩だったりするのです。 「妙な解釈をするヤツもいるもんだ…」
などと嘲笑しながら、軽い気持ちでごらんください。
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5、GOOD ENOUGH
「ああ、こういう風に、怒りって、表現する方法もあるのか…」
この曲を聴き、歌詞を見たとき、一番最初に思ったのは、そういうことでした。
最初にこの楽曲に感じたエモーションは「怒り」。
真実は定かではありませんが、作曲の発端は「怒り」にあるような気がします。
その感情を、3、4回ひっくり返し、軽やかに言えてしまう、
ここにも、「人生の大いなる肯定」があるような気がします。
人間から漏れる、かすかな光。
それは、たとえ「別人の誰かになってしまった」ような人にもまだ、さらに新しく生まれ変れるチャンスはあるし、その優しさが、誰かを癒す機会があることを示唆している。
温かい、人一倍優しさも持った目線がないと、こうは言えませんよね。
とにかく、今生きているということじたいが
まず「Miracle」であって、どんな状態かといえば「Twinkle」なんですよ。
これを忘れちゃならない。
だから、たいていどんなことが起こったって「That’s Good Enough」って感じで済ませることもできる。
「That’s Good Enough」=「まぁ、いいんじゃない」
怒りがあるからこそ、そこからその怒りが癒える時、
戻り道の傍(かたわ)らに並ぶ優しさを、冷静に眺めることができる。
ああ、俺は、こんな優しさに溢れた道を、歩いていたんだなぁ、と。
怒りに我を忘れて、路傍の花が、目に入っていなかったんだ、と。
ひょっとすると「That’s Good Enough!」の原義には、そんなに全肯定なニュアンスは、ないかもしれない。
でも怒りそうになった時、とりあえずいったん「That’s Good Enough」と口に出して言ってみること。怒りの矛先、いや、感情の道順が、変わっていくかもしれません。
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