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感覚を疑え! 映画を見ても何も思わない猿

DAVID BOWIEの死、そして「★」の意味

投稿日:2016年1月12日 更新日:

db

 



デヴィッドボウイが亡くなってしまった。
イギリスが生んだ我らがロックスターは、最後に「★(BLACK STAR)」を残して、去って行った。

がんだったそうだ。

時代動かしたロック歌手=東西ドイツ統一にも影響―ボウイさん死去
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160111-00000119-jij-eurp

発売当日にCDを手にしていたのだが、なぜか「まだ、聴く感じじゃない…」と、目の前に置いて、パソコンに取り込んで、iPhoneでも聴けるようにして、聴かずにいた。

大音量で、一人で、瞑目して、どこかで沈着に聴きたい。

そう思っていた。

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そうしているうちに、彼の69回目の誕生日を終えてすぐに、先に訃報を聞くことになった。

10年の空白を経て出されたアルバムから、3年も経たずに新作が。
そう思って意気込んでいたのに。

こういう順番で、私の中に刻まれることになったのだ。



アルバム「Heathen」(2002年)

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アルバム「Reality」(2003年)

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アルバム「The Next Day」(2013年)






訃報


アルバム「★」

 

…この順番の違いは大きい。

自分にとって、意味が変わってしまった。

 

 

 

 

ボウイの死を知ってから聞く「★」。
彼はこのアルバムについて、ほとんどなにも語っていないらしい。それをして、「彼が創造した次なるアートフォーム(芸術形式)は?」と書かれる存在。

 

BOWIEが、他の人と違うところ。

 

突然、この時の謎が、少し解けた気がしている。

彼の脳内には、暗黒の泥濘にしか見えない異界へと続く穴が開いている。
彼にしか見えないのだが、その穴は「芸術そのもの」。
その芸術という異世界から、「お前の脳を通して、芸術というものを現実世界に表現せよ」という命題が、出続けている。

それをボウイは、やり続けた。だから我々には時に理解しがたい世界観を、彼は生きるように表現した。
その苦悩と孤独は誰にもわからないのだろう。天才の懊悩。アーティストの逡巡。

「日常にありふれた出来事を歌詞にして多くの共感を得て」みたいなことでチヤホヤされて「アーティスト」と呼ばれたりしている人ら、あんたらのどこがアーティストなんだ。恥ずかしくないのかと思う。

ボウイが表現しているように、芸術っていうのは、その奥底は怖いものだ。通奏低音として流れる、「異界との交流」の具現化だ。

それを、冷静に、落ち着いて、現世との折り合いを個人としてはつけながら模索した紳士。若い頃の、ジギースターダストやアラジンセイン、または「ダイヤモンドの犬たち」の感じを今でもイメージとして強烈に持っている人も多いだろう。

そういう人たちは「レッツダンス」以降を

 

「私のロマンティックなボウイ様はどこへ!?」と感じ、

アメリカでの成功以降に知ったファンは

「なんで眉毛なくて、おでこに金の丸描いてたの!?」

と不思議がっていたのだろう。

 



 

どれもこれも、脳内へ直接くだる、「芸術」からの指令を脳内で変換した結果の、エンターテインメントだったのだ。

確かに、音楽界に天才はいる。綺羅星のごとく、イギリスだけでもたくさんの才能あふれる人たちが。エルトンジョンしかり、ポールマッカートニーしかり。

ああ、偶然にも、受勲している「サー」ですねw

 

知ってました?

なんとボウイは、大英帝国勲章コマンダーと大英帝国騎士号の叙勲を、両方とも辞退してるのだ(2000年、2003年)。なんてかっこいいんだよ、貴方は。

 

 

「★」が持つとてつもなくHUGEな意味とは。

しかしこのアルバム名(そして曲名)、「★」。これ、ただ単にブラックスター(黒い星)というだけの意味にとどまらない。

なぜなら。

 

今後、パソコンにキーボードでなにかを打ち込む時、および文章を読む時に、

を見かけたら、デヴィッドボウイ、「★」の曲(およびPV)を、思い出さずにはいられないから、だ。それは全世界、の人々にとっても同じはず。

 

パソコン上の、いかなる言語においても

は、

「星」や「STAR」であると同時に、

 

DAVID BOWIEの「★」

 

という意味を持つことになる。

永久に、だ。

 

 

 

つまりボウイは、この、進んだネット社会において、永遠に続く「ボウイの痕跡」を、最期のアルバム(および曲)によって、残すことを選んだのだ。

デヴィッドボウイは、永久に燦然と光る、★になった。
永遠のスターに、最後に昇り詰めたのだ。

 

 

 

すごいことをやってのけた、すごい人だと、訃報に接してからずっと、少し震えている。

 

感動で。

 

みなさんはいかがですか。

 

 

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