もはやゴジラから「核の落とし子」的な性格は消え、日本土着の、いわば「大魔神」のような、宇宙からの侵略者と戦ってくれる正義の味方的要素が強化されたようです。
宇宙怪獣ガイガンとキンググドラを操る宇宙人の正体は宇宙ゴキブリ型…。
テラフォーマーズを彷彿とさせますね。
ゴジラとアンギラスが、吹き出しで喋っている!
漫画やアニメの影響かな。
でもその影響は、ガイガンのデザインに、いい意味で投影されてる気がします。
ここまでのゴジラシリーズで一番かっこいい!と思います。
そして際立つのは…
キンググドラの無能さ。
こいつ何なの?調子悪いの?風邪ひいてる??って保健委員が寄ってくるような頼りなさです。
しまいにはアンギラスに尻尾をかじられ、ゴジラに、首を、3本まとめて後ろにネギみたいに束ねて抱えられて投げられます。
いや、あんなに「三つ首」を有効に使えてないモンスターって珍しくないですか。
脳みそ、三分割しちゃったかな?
とにかく宇宙怪獣たちは逃げていきます。
そしてもうエンディングなんか、ゴジラは完全にヒーロー扱い。
テレビでも他のアニメや特撮の、ヒーロー物にいかにゴジラが押されまくっていたかという苦しさを象徴するかのようです。
物語のテーマとしては、「ヘドラ」の回と同じく、「行きすぎた科学文明はいつしか滅びるぜ」的なニヒルさを帯びています。
思えばまだ70年代初頭。
ここから世紀末へ向けて、終末論たっぷりの物語がワンサと待っている時代です。
そろそろ、「ああ!知ってるこのベテラン俳優!」っていう人が、どんどん出てくる頃ですね。
ゴジラシリーズ全作、Huluにあります。
初めまして。ゴジラ関連の検索でやって参りました。
ゴジラシリーズほぼ全作観ました。怪獣擬人化は賛否両論ですが、やはり昭和のゴジラシリーズが人間味があって良いですね。誰が何と言っても(笑)。
「対ガイガン」は従来のゴジラ映画と違い、登場人物は「戦争を知らない」新世代といった感じ。それまでだと文明の発展は「希望」みたいな描かれ方だったのに対して、ここでは「危惧」に変わってきているのが世紀末的。
「怪獣総進撃」が未来の話とすると「対ヘドラ」~「逆襲」までは「ゴジラの息子」から続く話という事になりますね。この頃の怪獣島はコントロールされる以前という事で、怪獣達も自由に外へ出られるみたい。怪獣島に住む怪獣達は皆好きですが、中でも私のお気に入りは可愛い健気なアンギラスです。
「対ガイガン」の頃のアンギラスは、まだ人間と触れ合った事が無いようですね。人間に対して警戒心が無いから偵察の時に人間の領域に踏み込んで攻撃されてしまったと見ています。それでも反撃する事も無く退散していったのは、人間が悪意では無く怯えから攻撃しているのだと分かっているのですね。彼は弱い者いじめをしない優しい怪獣なのです。偵察も人間世界に異常は無いかを見に行っただけなので、今のところ異常無しという事で、ちゃんと役目を果たしてますよ。
優しいだけに彼の受けるダメージは痛々しいのですが、それでも一生懸命に敵に立ち向かう姿は感動的。彼は優しいからこそどんな困難にも耐えられる、ゴジラとは違う強さを持っています。
この戦いで自分とゴジラの危機を救ってくれたのは日本の人達だと分かったのか、それ以後はゴジラと共に日本の危機を救いに来てくれますね。これからも、その優しさを忘れないで欲しいです。
余談ですが、メカゴジラに深い傷を負わされたアンギラスですが、ゴジラ生誕25周年記念の年に某テレビ雑誌に掲載された記事によりますと傷はすっかり完治したとの事です。このまま何事も無く、ゴジラ達と平和に暮らして欲しいです。