・どのお経が「正典」とされているのか?
・なぜ「梵天勧請」は決定的瞬間なのか?
・釈迦は本当に「十二支縁起」を悟ったのか?
・なぜ「無我」と「輪廻」は両立するのか?
・善い行いをしても「業」は生じるのか?
・時間は「未来→現在→過去」の順に流れる?
・日本仏教にはなぜ「サンガ」がないのか?
※Amazonより
日本の仏教のおかしさ、誤謬については「前提条件」としてスルーされていて、あまり触れられてもいない。
碩学たる宮崎氏と、第一線の研究者である佐々木氏は、「釈迦の考えとその変遷」にこそ意義があると本書では集中して議論してくれている。
仏法僧について、または日本仏教にとって未知である「サンガ」について、豊富な経証を引きながら専門的なところにまで言及する。
まずはその姿勢と知識量、冷静な判断力に、自然に敬意が生ずる。
そして最後段(第三章の後半)で展開された、テーラワーダ原理主義とも言える、「信仰者なら許容できるが」という、佐々木氏への藤本晃氏の批評についても語られている。
仏教と、仏教学は違うのか?
そんな真摯な問いが出るのは、
この二人の対談者が、宗教、そして宗教学、並びに自分自身に対して、常に謙虚な姿勢を忘れていないからだろう。