「この60年の間にドイツは40回以上憲法改正をしているんだよ。日本が一度も改正していないなんて、そんなバカな!」今度は私の方が驚いて、口の中のモッツァレラチーズを飲み込みそうになってしまった。60年間に40回以上ということは、1年半に1回ということになる。憲法って、そんなに簡単に変えていいの?(p.73)
まず驚いたのはマスターズ・カントリー(ご主人様の国)という言葉。彼女は日本がヨーロッパかアメリカの植民地になっていて、マスターズ・カントリーを持っていると思っているらしい。ところが私が不思議な顔をしたので「昔はそうでしたね」と言い直したに違いない。
「日本は一度も植民地になったことがないんですよ」
説明する私に、今度は彼女のほうが信じられないという顔をして、バックミラー越しではなく、直接まじまじと私を見るのだった。(p.88)
どうしようもないほどの欧米コンプレックスが維新の昔から日本人にはあり、陰に日向にあらわれる白人への憧れというものが日本人にはある、と常日頃から思う。
もちろん自分にも。
日本文化が海外に進出して、漫画とかアニメとかのポップカルチャーやサブカルチャーもヨーロッパでは人気だとニュースでは見るけれど、そこにもなんとなく 「ほら、白人の人らがホメてくれている!」という喜び方が何十パーセントも含まれているような気がする。
どうせこちらからは、「それらを喜んでる白人がその国でどーゆーポジションのイケてないヤツらか!」を知る方法もないし。
福祉制度や政治のカタチの話でよく北欧などと比べられる日本だが、だいたいそもそも人口が違いすぎるから(スウェーデン王国は1000万人もいない。ノルウェーにいたっては500万人に満たない)、そういう国々と1億を優に超え続ける日本との体制の違いを単純比較してもしょうがないではないか。
ガラパゴス化、なんて最近は自嘲気味にわが国を悪く言う時に使うが、「国内の需要(内需)」の規模がなんてったって異常にデカい国でもともとモノづくりも上手いから、
国内向けの製品を作るだけでじゅうぶん儲かる、
という理屈だった。
それが急に、「悪い」ってことはないでしょうに。
ヨーロッパの人々に、日本は誤解されていることがたくさんあると思う。
特に、戦争時における東南アジア全般(侵略とか)のことについては、誰でもおそらく目を吊り上げての論争になる気がする。
日本人の中にでも、ナチスと大日本帝国を同一視してる連中がいるんだからまぁ、しょうがないのかも知れないけどね。