ダッカの襲撃事件は、「一段階上がった」とも言われているようだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20160703-00000407-fnn-int
そういえば、サウジとイランが断交した、というニュースもあったが。
http://mainichi.jp/articles/20160106/ddm/002/030/052000c
テロリストにしては「国」を名乗る集団に、違和感を持っている人も多いだろう。
どこが国なんだ、と。
しかし、彼らは本気。
彼らイスラム国の台頭はエジプトから始まった「アラブの春」。
日本の識者が喜んで持ち上げていた、「フェイスブックでつながった若者たちが行動を起こした」ところから始まっている。
政権が倒れたことによって、国の辺境に中央の軍事力が及ばなくなって、国境地域に空白が出来た。
そこを利用して拡大したのがイスラム国だった、ということだ。
彼らが発する、イスラム法の厳格さを保持しそれはわれわれからすると苛烈で危険な行動を含むけれど昔ながらの世に戻すのだ、という一定のメッセージは、やはりイスラム世界において、共感を得られるものであると言わざるをえない。
今回も、ラマダン(断食月)前に、攻撃をやれ、という声明が出ていたそうだ。
大きな思想を共有しているだけで組織には属していない形で起こるテロも今後は増えるものと思われるし、「グローバルジハード」を標榜しているだけに、アジア各国もその標的になる。
組織だっての統率されたテロなら優先順位や破壊の規模も考慮されるだろうけど、思想だけ共鳴している個人が起こすテロは、場所や規模を選ばない。
個人的な恨み、とかもそこに足されるから。
日本ではテロはないと言われてきたけど、個人的な差別に耐えかねて、というのがプラスされて今後は起こり得る可能性もある。
日本の陰湿な、閉鎖的な差別感情はどこにでもあるから、「ローンウルフ型」のテロに狙われるのは東京などの都市部だけとは限らない。
この本、世界で大きなテロ事件やイスラム国が話題になるたびに欠品ぎみになる、わかりやすく基本と沿革をふまえた良書。
特に、イスラム国が持っている、2000年からつづく大きな流れ。
まさに、書いてある通りに進んでる((;゚Д゚)ガクガクブルブル
この先どういう展開が待っているのか、おぼろげながらわかる気がする。
それを考えると同じテロリストでも、オウム真理教は幼稚なだけの、どうしようもないガキ集団だったなぁ、と思う。
欧米だけでなく、逼迫した個人を救う形で、厳格で苛烈なイスラムに引き寄せられる若者が今後も増加しないとは限らない。
やはり大宗教として、その法理にはまさに「理」がある。
われわれの習慣には馴染めない、としても。
複雑なアラブ世界。
決して中東vsイスラエル、なんていう単純な図式ではない。
スンニ派とシーア派の対立も大きい。