麻生副総理の「ナチス発言」が物議を醸している。
いえ、物議を醸して字数や秒数を稼ぎ、ウソでも噂でも推測でもなんでも書いて売り上げにつなげたいマス・コミュニケーション関連の方々(マスコミと略す)が延々と燃料を投下し続けているだけだけど。
麻生さんの発言が「ナチス肯定」に見えたのならば、それはなんらかの精神的疾患が疑われてしかるべきだとすら思う。
ナチス肯定はホロコースト肯定につながり、つまりそれはユダヤ民族への攻撃的姿勢である、と朝日新聞は解釈して論戦を張っているようですが、それはもう「病気」だ。
http://www.asahi.com/international/update/0801/TKY201308010064.html
「ほら、世界のエラい人が言っているぞ」的な展開で対象を貶め、自社の拡散責任や誤報にはくるっとほっかむりをしてええじゃないかを踊りながら去っていく、という病気。
「従軍慰安婦問題」の例をとってみても、お家芸、いや、宿痾(しゅくあ)と呼ぶべきものだろう。
ここで、その発言の全文を紹介する。
僕は今、(憲法改正案の発議要件の衆参)3分の2という話がよく出ていますが、ドイツはヒトラーは、
民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。
ヒトラーはいかにも軍事力で(政権を)とったように思われる。全然違いますよ。
ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。
間違わないでください。
そして、彼はワイマール憲法という、当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきた。
常に、憲法はよくても、そういうことはありうるということですよ。
ここはよくよく頭に入れておかないといけないところであって、私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと
言い続けていますが、そ の上で、どう運営していくかは、かかって皆さん方が投票する議員の行動であったり、
その人たちがもっている見識であったり、矜持(きょうじ)であったり、そうしたものが最終的に決めていく。
私どもは、周りに置かれている状況は、極めて厳しい状況になっていると認識していますから、
それなりに予算で対応しておりますし、事実、若い人の意識は、今回の世論調査でも、20代、30代の方が、極めて前向き。
一番足りないのは50代、60代。ここに一番多いけど。ここが一番問題なんです。私らから言ったら。なんとなくいい思いをした世代。
バブルの時代でいい思いをした世代が、ところが、今の20代、30代は、バブルでいい思いなんて一つもしていないですから。
記憶あるときから就職難。記憶のあるときから不況ですよ。
この人たちの方が、よほどしゃべっていて現実的。
50代、60代、一番頼りないと思う。しゃべっていて。
おれたちの世代になると、戦前、戦後の不況を知っているから、結構しゃべる。
しかし、そうじゃない。
しつこく言いますけど、そういった意味で、憲法改正は静かに、みんなでもう一度考えてください。
どこが問題なのか。
きちっと、書いて、おれたちは(自民党憲法改正草案を)作ったよ。
べちゃべちゃ、べちゃべちゃ、いろんな意見を何十時間もかけて、作り上げた。
そういった思いが、我々にある。
そのときに喧々諤々(けんけんがくがく)、やりあった。
30人いようと、40人いようと、極めて静かに対応してきた。
自民党の 部会で怒鳴りあいもなく。
『ちょっと待ってください、違うんじゃないですか』と言うと、『そうか』と。
偉い人が『ちょっと待て』と。
『しかし、君ね』と、 偉かったというべきか、元大臣が、30代の若い当選2回ぐらいの若い国会議員に、『そうか、そういう考え方もあるんだな』ということを聞けるところが、自民党のすごいところだなと。
何回か参加してそう思いました。
ぜひ、そういう中で作られた。
ぜひ、今回の憲法の話も、私どもは狂騒の中、わーっとなったときの中でやってほしくない。
靖国神社の話にしても、静かに参拝すべきなんですよ。
騒ぎにするのがおかしいんだって。静かに、お国のために命を投げ出してくれた人に対して、
敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。
静かに、きちっとお参りすればいい。
何も、戦争に負けた日だけ行くことはない。
いろんな日がある。
大祭の日だってある。
8月15日だけに限っていくから、また話が込み入る。
日露戦争に勝った日でも行けって。
といったおかげで、えらい物議をかもしたこともありますが。
僕は4月28日、昭和27年、その日から、今日は日本が独立した日だからと、靖国神社に連れて行かれた。
それが、初めて靖国神社に参拝した記憶です。
それから今日まで、毎年1回、必ず行っていますが、わーわー騒ぎになったのは、いつからですか。
昔は静かに行っておられました。
各総理も行っておられた。いつから騒ぎにした。
マスコミですよ。
いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。
韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。
憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。
だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。
事実誤認を元にしている、というか、どうやらなかなかざっくりとした理解を立脚点にしている上、言い方がべらんめえ的というか、大づかみな印象が否めなくなってしまう語調なのでもう誤解を呼んで当たり前というか、完全に理解するかおじいちゃんもうご飯食べたでしょ的に笑っておくような感じにも思うが。
録音でも、聴いている人の笑い声が入っているので、ニュアンスとして「面白い言い方(表現)」がサービス精神として出てしまうことって、政治家にはあるそうで、そういう側面もある。
やっぱり、少しはウケたいから。
こうして全文を呼んで、「(笑)」とか「wwww」を足して表現が理解出来ればいいんだけど、一番最後くらい、「あの手口学んだらどうかねwwww」と書いておけば、朝日新聞以外は問題にしないんじゃないだろうか。
実際、笑い声が起きていたのはその部分だし。
ナチスは、普通の選挙で一度も議会の2/3を獲ったことはない。
社会不安が極まっていた当時のドイツでは、議会で首相を選出することができない状態に陥っており、大統領が直接指名していたと。帝政を復活させようとする保守派と、相変わらず左派は革命だって言ってるし、そんな中で、なかなかの混乱と対立の中で大統領に指名されて首相になったのが、ヒトラーなわけだ。
それをして「あの手口」と言っているわけではないだろうから、これは、麻生さんがそのドイツの事実関係を知らない可能性が高い。
もし知ってたら、それこそ言ってることめちゃくちゃだからね。
なので、「副首相、なにをおっしゃってるんです…!?」と国民全員で問うのが正しい。
ほんとうに、ニュアンスは大事。
その前に、事実認識は必須だけどね。
どうせ、当日の会場の雰囲気やニュアンスなんて、世界はおろか正確に国内にも伝えられない。現場にいた記者も最初は気づかなかったらしいし。
とにかく「ナチス肯定!ヒトラー賛美!」な方向の批判は、的外れというかしょーもなさ過ぎてアホ認定してあげて良いと思う。
海外だと、「麻生の発言どう思います?」と水を向けられて「これはどうってことないでしょう」みたいに言ったら、「(麻生を)否定してないってことは、(ナチスの)肯定ですね!?」と取られかねないし、日本どころのダメージでは済まないから、勢い「麻生憎し」な内容になってしまうのだろう。
ものすごく大目に見て、「朝日新聞はそれが仕事」という見方をすることも可能かも知れない。反日な主張と横柄な記者の態度を全国に晒して、物議をナナメ上から醸し出し焚き付け、それなりの需要を無理矢理生み出す。それをよそに、読者のみには高貴な主張と高尚な立場を旨とした論陣を張る。
それもそのはず、朝日新聞の調査によると、朝日の読者は少し、アッパーなクラスなのだそうだ。
http://adv.asahi.com/2012/009.pdf
この中の最大層に向けて書かれている、と理解して読むことが、まずは朝日新聞を知ることになるのだな。
そうすればいちいち毎朝、天声人語に怒る必要もなくなる。