やはり、「国家珍宝帳」。
はい、そうとしか読めないので、そう読むしかありません。
聖武天皇あたりの、天皇の系譜は本当に興味深い。
藤原氏の台頭とも関連して、宝物を東大寺に献じるという、いわば国家的宗教行為。
そしてその東大寺、正倉院を含め、この巨大な南都が、あっさり放棄されてしまう。
泣くよ、ウグイス。
1200年、人を変え政府を変え方式を改め、
守り続ける価値があると判断され続ける正倉院。
管理の精緻さ・保存の苦労など、事細かに知ることができる、側面的な資料としてとても重要な内容でした。
工芸品、美術品だけを知ることが、正倉院を知ることではないのですね。
皇族や貴族たちが、曝涼ついでに香木をちょっとずつ削っていっちゃうみたいな、人間ぽさを感じる部分にも、興味を惹かれました。
蘭奢待、などの写真も。