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そう、三国志

三国志/第六巻「名は体を表すとは限らない不思議な中華思想ってやつ」

投稿日:2013年8月6日 更新日:

3d4893146707798c77ca13f81acc8daf_cover3d4893146707798c77ca13f81acc8daf_coverをめぐる争いはまだまだ続いている。
この巻の最後にいったんの和睦は成るのだが、基本的にこの時代の戦争のほぼすべてが肉弾戦である以上、お互いの兵士の疲弊はそうとうのものになる。

あの奸雄・曹操も、九死に一生を得るような大ピンチに陥るほど。
そんな中、一番のエピソードは、孫堅が、「玉璽」を拾うところだ。

いくら光っていたからって、井戸の底に沈んだ死体を引き揚げてまで拾うかね、という気はするが、なにせ「正統性」が証明されてしまうと言っても過言ではない聖なるハンコ、なんらかの天意あってその手に渡ったというエピソードが創られるなんてことも、さもありなん、という感じだ。

しかし、現代まで続く「ハンコ社会」の原点が、ここにある。
皇帝のハンコは、勅令を出す際に押されるものなので、その命令の正当性を担保するものだ。

皇帝が大事なハンコだからと首からいつも下げてぽんぽん押している、ということはないだろうから、代わりに押す官僚が管理している。

まさにそのハンコを押す係、およびハンコそのものに絶大なる価値と権利が乗り移ってくる。
そして、ハンコが壊れたり機能不全になったら政治的空白が出来てしまうので当然、スペアも制作されるだろう。

今回流出したハンコは、そのうちのひとつなのだろうと思われる。

しかし命からがら逃げる孫堅が身ひとつになりながらも、ハンコを持っているという、ただそれだけで、「いつか天下に号令してやる!」と豪語できるのがすごい。

そしてもうひとつ。
三国志の中ではそんなに細かく触れられてはいないが、やはり「周辺諸国」あるいは「異民族」の存在があることを忘れてはならないと思う。

卑弥呼」や「朝鮮」「南蛮」など、周辺の異民族を野蛮と決めつけ、悪い意味の漢字を使って表記する文化を育む中華思想。

さらっとこの巻にも「文醜」という武将が出て来る。 いくらなんでも、「醜い」なんて字を使わなくても、同じ発音の漢字はあるだろうに、これは、どこかは知らないが、異民族なんじゃないだろうか。

その証拠に、少しだけ変わった甲冑を着けている。

で、その他に、同輩として「顔良」という武将も出て来る。 これはすごいじゃないか、「顔、良し」。
それを名前にするくらいなんだから、まさに名は体を表わす、のか!?

そ、そうでもなかったか…。
左が顔良。右が文醜。

そして、興奮してたら部下に諌められてしまう董卓ちゃんの小物感が増大。

かりそめの和議のあと、それぞれの思惑が錯綜していく様子がみられる。

 

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-そう、三国志
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