「切腹」のリメイク。ただし、市川海老蔵さんに生気がありすぎてw、おや、この人が千々岩求女(ぢぢいわもとめ)かな?と思ってしまいました。
原作は、これですね。古書扱いに…w
実際の千々岩求女(ぢぢいわもとめ)は瑛太さんが演じています。
その育ての親、という役回りなのですが、まだ海老蔵さんは34、5歳の頃なので、ちょっと役ほどは枯れていないんですね。
でもそれだけに、立ち回りの激しさはすごい。
日本一のメヂカラ、と言えるでしょう。
歌舞伎の人だけに、その声色にはどこか、優雅な響きが乗っています。
そしてこの映画は、そんなに「誰も悪くないよね」と言いたげな雰囲気が漂っています。
穿った見方をすれば「ダメよね、こういう風習!古いよね、封建主義!」みたいな。
それは言い過ぎかも、ですが、どっちにしても「貧乏、つらい!あかんあかん!」と、強く思ったのでした。
まだ関ヶ原から30年しか経っていない江戸初期。
武威を誇る家風とは言え、江戸屋敷で臣下が3人も、浪人者に髷を切られる失策をしでかしたとなると、これはもう、幕府よりなんらかの沙汰が下ってしまう。
それを避けるための処置はそれぞれ成功し、「武士の面目」は保たれる…。
今はなき「切腹」という慣習、それを批判的に描いているとは言え、これって海外の人から見ると「残酷な奇習」にしか見えないだろうし、「武士とは」というロジックは、「なんで?ホワイ?なんでそこでそうなるの?」という、奇怪な思考回路にしか思われないでしょう。
「サムライ」がまるで、良いことのように、日本男児の象徴のように言われてしまうような昨今、武士階級の「負の部分」は、こうして、ちゃんと理解されるべきだと思いますし、二度目ですが、「ダメ!貧乏!」を、強く意識したいと思います。
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