アフガンに駐留するカナダ軍。
タリバン掃討作戦の中、相変わらずの混迷した地域での、五里霧中にも見える終わりなき戦い。
カナダ映画だけに、これは「俺たちの大和」みたいな位置づけなのかも知れない。主人公ライアンは死ぬが、それで「なんだよアフガンって」とか「くっそーアラブめ」「どうなってるんだイスラムって」みたいな、敵愾心を残す作りになっているのがこういう映画の常だ。
そんな直接的なセリフはないけれど、悲しまれ、軍葬で最前線から送り出される主人公。子供ができて、父親になる寸前の犠牲。
それはそうなんだけど、カナダ兵の銃弾や砲弾や爆撃で虫けらみたいに殺された「敵」にも子供はいるし、描くべき未来もある。
遠く離れた地で戦うカナダ兵(および駐留するその他の国の軍兵も)は、皆、戦闘は「仕事」だ。
「軍務」であり「生業」であり、「暮らしの糧」だ。
翻ってアフガンで戦う兵士達が戦う理由は「誇り」であり「文化」であり「故郷」なのだ。
その違いが、絶対に埋まらない溝を、さらに深くしているのではないか。
かなり過激で残酷な描写のある、リアルさを追求した映画。
Amazonプライムで見ました。