1974年の映画が、デジタルリマスター化された。
昔の映画の古臭さ、フィルムの劣化具合がなくなり、現代の映画とそんなに変わらない。
なのにこの重さ、堅実さはなんだ。
今の映画が、子供向けの、幼稚な「これでいいんだろ?」という分かりやすさ重視で作られていることが改めて感じられる。
特にクライマックスの30分ほどを、あの演出で押し切るのはすごい。
映画を「芸術的観点」で作っている、と言える。
しかしこの時代(原作連載は1960年〜)、タバコはもう「髪をかきあげる」のと同じくらいに自然なことで、現代の視点でみると「その吸い殻、使ったマッチ棒、どうする気だよw??」と言いたくなってくる。
とにかく丹波哲郎の台詞回しが良い。
森田健作も良い。
加藤剛は天才作曲家、ピアニスト役なのだが、ピアノの演奏は吹き替えのプロがやっている。
演奏する、鍵盤上の両手だけが映し出されるのだが、その手がやたらぽちゃぽちゃした手なのだ。
絶対加藤剛の手じゃない!!と言いたくなる。
牧歌的でありながら、まだ戦争の爪痕が色濃く残るストーリー。
映画史に輝く名作、なのだそうだ。
確かにそう感じた。
Amazonプライムで見た。昔の名作が続々出てきてる。