この本、前から読みたかったんだが、やっと読めた。
この記事で、やわらかくタクシーを撫で斬りにしたけど、すこし、考えが変わった。
まず、取材のためにタクシー運転手をやってみるというその発想ww
そして、タクシー業界の苦衷、行政とのせめぎ合い。
基本的にはそこに、なんらかの官民の癒着がベースとしてある気がしてならないんだが、やはり日頃から感じている、「タクシーだけ特別じゃない?」感は、どこかに払拭しきれないまま残っている。度重なる法律の改正も、どこかからの圧力のしわ寄せとして行われているような気がしてならない。
それが、業界の斜陽感につながっている。
折しも『ガイアの夜明け』で、タクシー大手を紹介してたが、大手の社長をして「数年後、10年後には、大部分が淘汰されてるでしょうね(大意)。」と言わしめるほどの苦境。
だからと言って、粗悪なタクシー運転手の荒々しい運転を「しょうがない」とは認められないが。
これらは、東京だけの特殊な事情なのか??田舎のタクシーのあの「駅⇄観光地」ののんびりした牧歌的な運営とは、一線を画す東京のタクシー戦争。
その負担が、運転手の両肩にかかっているという事実。クレジットカードの手数料は、ハイグレード車利用料など、運転手が負担するものが多いんだそうだ。
そして中には、個人事業主を雇う、みたいな方式でテラ銭だけを取るという業態のところも。ちょうど、小型貨物の宅配で独立できます!みたいなあの感じか。タクシーの悲哀が、なんとなく感じられた。
そして意外なのは、運転士の資格を取る際、すごい高難度の試験をクリアしないといけないということ。さらに驚きは、その試験の内容が、実地の業務には露ほども役に立たないこと。
なんでそんなことに…。
年に1度会ったら多すぎるような、ひどい人の出会いが、月に1回以上はある、タクシー業務。
精神が荒んでしまわないかどうかは、給料に比例する気もする。
でもタバコのポイ捨て、立ち小便、違法な駐車、横暴な運転など、運転手が日常撒き散らす害はたくさんある。
やって欲しいこと
タクシー利用者は、タクシーの運行と、周りの状況を鑑みて、手を挙げて停めたり、支払いの場所を決めてほしい。
思い出してみると、なぜか「タクシーしか見えなくなってる」状態の、飲み屋から出てきた客が、道路に飛び出してるのを夜中などによく見る。タクシーの客にも、問題は多いなぁ。
とにかく、おもしろい本だった。