まさに悪人、でもどこからが悪人で、どこからがそうでないかが曖昧になる、数人の視点が混ざっている。
客観的には、非の打ち所のない悪人なん(変な表現)だが、一緒に逃亡した人間(深津絵里)からすると、いえ、あまり言えないけれど、そうも決め付けられない面が、そこにはあったりするんですよ、という感じを醸し出している。
いわゆるこれ、「ストックホルム症候群」なんじゃないかと思わせる。
悪意を持つのは瞬間のことで、それ以外は善意。
そんな、「ちょっとしたはずみで犯してしまう罪」を、味方になりたい人間はどうかばうことができるのか…。
それにしてもいつも、まるで悪意の塊のように表現される「報道陣」だけど、それがわかっていても、自粛する方向にはまったくならないマスメディア。テレビ局こそ、なによりも悪人たちだと思ったりもする。
どうしても人を殺しておいて、こそこそ逃げながら思い出語りや自分語りを始める犯人(妻夫木聡)には感情移入できない。ひょっとして原作は、また角度が違うんだろうか…。もちろん、俳優陣は素晴らしいと思う。岡田将生は、憎たらしさが足りないくらいに感じるけれどww
柄本明がと満島ひかりが素晴らしい。
Huluで観た。