この自著で語られていた主演作。
東京生まれの都会で生きていたなべおさみ氏に、なぜ大阪が舞台のこの映画を主演させたのか謎。
…というかこれの舞台が大阪であるのには何か大きな理由があるのだろうか。
おそらく、ミヤコ蝶々氏の存在が大きいのではないか。
まさか、母親か…?のラストのくだりでは、フーテンの寅次郎と母親(これもミヤコ蝶々)の姿が浮かんでくる。
なべ氏の大阪弁はほとんど見事だが、考えてみれば弟分として佐藤蛾次郎氏が出演しているあたり山田洋次監督の作品として、「男はつらいよ」のスピンオフに見えなくも、ない。
小沢昭一氏のナレーションが、何より時代を映している。