大人気金融コミック。
凄惨な描写も多いが、なぜか人の心の、“ある部分”をえぐる。
それは怖いもの見たさか。
それは自分の、いつかの姿か。
ドラマにもなり、映画化もされた。
山田孝之の演技は素晴らしい。
ただ、映画/ドラマの被害者(債務者)やその他の登場人物は、やはり当たり前だが役者さんなので、その姿に「覇気」があるのだ。
本当に荒んでいるわけではないから、演技は素晴らしいのだが、まとっているオーラが、やはり「正」のものであって、「負」のものではない。
漫画で描かれる「負」は、本物の「負」に見える。
だからこそ、底辺、下流、ダメなやつ、不良、ヤクザ、その「負」が放つパワーは、「正」を生きようとする自分達に、何かを投げかけてくるのだろう。
正義が、どこにもない。
決して主人公・丑嶋を正義にも描かないで、ただ淡々と、この世情の闇を描く。
闇金が常に「弁護士・警察に駆け込まれたら終わり」なリスクを背負いながら、なぜ存続し続けるのかを、問われている気がする。
闇金は、大きな意味での、マネー・ロンダリングなのだ。
借りる方は、被害者でもあり、共犯者にされているのある。
貧乏人が行き着く先は、しょせんこんな世界。
そういう理解だと、なんだかこの漫画を読み損ねているのかもしれない。
お金って怖い。
お金ってすごい。
特に「フリーエージェントくん」編(30巻〜)は、ものすごくよく調べてあってリアルだと思った。
続編が待たれる。
最後、どうなるんだろうか。
闇金から借りてしまったら、
もう、こういうところへ相談するしかない。
駆け込むしかない。
↓さらに参考にどうぞ。