どんな家族にもあり得る、経年変化にオロつく瞬間。
自称モーレツ社員だった父が、もう、偏屈を通り越して意固地になってしまっている状態を、平穏を守るために看過してきた家族。
時代が流れてきた、サラリーマン・主婦、というような日本の家庭の縮図が崩壊する様が、少しだけ描かれている。
あれをやりすぎると「渡る世間」になるし、そのフィクション度合いが難しいところだ。
橋爪功さんの怪演が光る。
小林稔侍演ずる高校時代の悪友と居酒屋で出会ったくだりで、もう、ほんとに酔っ払って心の底から笑ってる、みたいな描写があるんですが、こっちも笑いたくなるくらいにおかしそう。あのシーン、ぜひ見ていただきたい。
しかしなんとなく「悪者」扱いをされてしまう父親だけど、普通にあんな豪奢な二世帯住宅を、建てたのだ。時代の流れ、を感じるのはそういうところにも。
説教されかかったらふざけて逃げる、というのも、女性は老いてもカルチャーセンターとか色々行って発散するんだけど男性はリタイアしたらもう酒飲んでクダ巻いてるだけ、っていうのも、本当に良くあるパターンなんだな。
その割に、「いつ死んでもいい」なんてうそぶくくせに、ちょっと調子が悪くなると病院だなんだとぎゃあぎゃあ言う。
でもあんな、反省して謝辞を述べたくらいで、積年の恨みが、霧消するかねえ…w
とりあえず、寝室でタバコ吸うのやめてほしいなぁ。
Amazonプライムで見ました。